2002年9月24日/写真追加2006年2月15日
少しばかり楽器を始めたきっかけみたいのを書いてみたいと思う。
音楽というものを始めたきっかけとは、まず両親がまだ、僕がしゃべれないにもかかわらず、モーツアルトのクラリネット5重奏を、口ずさんでいたというところがはじまり。もしかしたら耳を持っているかもしれないというところで、バイオリンを始めた。しばらくバイオリンをやっていて、8歳になったとき、「バイオリン続ける?」と両親に聞かれ、「やめる」と僕がいった。でも音楽を辞めたくはなかった。両親に「何がやりたい?」と聞かれ、すかさず「クラリネット!!」といった。
父は「同じうちに2本も同じ楽器はいらない」と言っていたのだけれども、忘れもしない、1985年12月8日僕が楽器を始めた日だ。この日、父は楽器を「これで遊びなさい。」と渡し、(母は、そんな高価なものを、小学生に「これで遊びなさい」なんて言ってよく渡したと驚いたらしい)それが今でも続いている。
「遊び」・・・楽器は僕にとっての最高の遊び。でも遊びとは、間違ってもふざけてとか言うものではなく・・・・。楽器で音楽をすることは、まじめでかつ贅沢な遊びだと思っている。
普通親子でと言うと、小さい頃からスパルタ教育でたたき込まれてきてると思われがちだが、これは非常に父に対して申し訳のないことである。なぜならば、僕という人間は、自分が必要性にかられなければ、何もやらない人間だし、人からこうしろああしろと指図されて、物事をやることが大嫌いな人間だからだ。
こういう僕にクラリネットのイロハを与えてくれた父の教えは、どこの場所に行ってもまったく訂正されたことがないことが、父からの最高のプレゼントだと思っている。父、横川晴児氏、鈴木良昭氏、アリニョン氏、ダミアン氏、これが僕の師事した先生たち。この師匠たちの出会い方の順番が違っても、今の僕はいないと思う。
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左の写真:メインで使っている楽器。24金のメッキをかけた楽器。(Sib&A管ーB.C TOSCA)中央の写真:スペアーとして使ってる楽器(Sib&A管ーB.C FESTIVAL) 右の写真:向かって右が、これがホントの「パパからもらったクラリネット」で、始めて持った楽器がこれでした。20年ものだけども、まだ現役。(Sib管ーB.C R-13)、左がZingaroで、ベルギーのナミュール公演があったときに、のみの市で見つけた楽器。うっすらと楽器には[J.B.NOEL-NAMUR]と刻印がされている。ナミュールののみの市で、そのナミュールで作られた楽器を見つけることができたのはうれしかった。
 
実際これを見つけたとき、まったく音が鳴る状態ではなくて、僕の一番信頼している、パリにアトリエを持つリペアー、シリルが完全に修理してくれた。驚くほどのひかりかた。しかもちゃんとした音が鳴る。システムはアルバートシステム。音の傾向としてはどちらかというと、ドイツ管のような音がする。この楽器を吹いて思うことは、いかに現代の楽器が、吹くときにパワーが必要かと思う。
付属していたたるが、オリジナルのものではないらしく、彼がこの楽器にあわせたたるを作ってくれて、そのたるの長さに驚いた。(普段僕の使っているたるの長さが67ミリで、この楽器用のたるの長さが74ミリ!)修理を頼んで、もう半年くらい経ったのだけれども、それほど急いでないから時間かけてやって、と頼んでいた。それがモンペリエ公演の間に電話があり、修理できたよと連絡が。帰ってきてすぐにアトリエに出向いた。
上の写真:青色の所が彼のアトリエ。
 
彼は、フランス語(もちろん)、英語、スペイン語、ノルウェー語、が話せる。楽器の修理、また楽器の購入をしたい場合は、彼の所に連絡を入れてみるのもいい。アトリエの住所、連絡先を書いておきます。
Cyrille MERCADIER
46, rue de Moscou 75008 PARIS
TEL:01.42.93.54.93 - FAX:01.42.93.54.97